江戸時代の米沢藩第9代藩主の上杉鷹山1751~1822が言った言葉で、
「困難でできそうもないことでも強い意志をもって行えば、必ず実現できる。できないのは成し遂げる意思をもって行動しないからだ」という意味です。
「絶対に成し遂げる」そのような強い気持ちを持ち続けるのは簡単ではありません。人は困難が目の前に現れると、諦めてついつい楽な方に流れてしまいがちです。
しかし、何かを成し遂げるには、どうしても強い意志が不可欠なのです。
企業経営者を対象にしたあるアンケートではこの言葉を座右の銘にしている人が圧倒的に多かったそうです。参考までに2位は「継続は力なり」です。
※生き方・働き方を模索する人のWEBマガジン モチラボより
上杉鷹山が17歳で家督を継いだ当時、米沢藩は借金20万両(現代通貨換算200億円)あったといわれています。さらに石高は15万石で、全盛期時代(120万石)のまま家臣6000人を召し抱えていたため、藩は破綻寸前の財政難となっていました。
鷹山は、徹底した質素倹約で財政再建を試みます。
江戸での生活費を1500両から200両に、奥女中を50人から9人に、藩士や農民に質素倹約を奨励、自らは“お粥食”など、倹約を実践していきました。
一方では、飢饉・凶作に備える蔵を各村に建てて、毎年1人1升ずつの籾を蓄えさせたリ、
農業生産を増やすため農民だけでなく藩士にまで田畑の開発を促しました。また、米沢藩の強みを活かした特産品の開発にも力を注ぎました。
単なる倹約一筋ではなく、領民の生活向上のために努力したのです。
“為せば成る 為さねば成らぬ何事も 成らぬは人の為さぬなりけり”は、鷹山が部下のやる気を喚起する意図で読み上げた歌だったのです。
ちなみにこの言葉は、もともと武田信玄の言葉を上杉鷹山がアレンジしたものだといわれています。
武田信玄は“為せば成る、為さねば成らぬ成る業を、成らぬと捨つる人の儚さ”といい、これは、「強い意志をもって行えば必ず実現するのに、できないと諦めてしまうのが人の弱さだ」という意味です。
アメリカのジョン・F・ケネディ元大統領が最も尊敬する日本の政治家として 上杉鷹山の名を挙げていることも有名ですが、英語では“Where there’s a will, there’s a way.”があります。「意志あるところに道あり」「意志あるところに道は開ける」という意味です。「will(意思)」と「way(道)」で韻を踏んでいます。
時代を超え、国を超え、言われ続けている心に響く言葉です。