弊社の場合は、歯科医院の専用テンプレートがあります。歯科医院でのお困りごととして「リコール率」が上がらないことがあります。
その理由は様々ですが、一番の理由は、患者が「歯」に対する知識を持ち合わせていないことです。正しい知識を与えれば「歯」の重要性を認識し、健康診断のように定期的に来院するようになります。
来たくないな!
リコール率の現状
リコール率の現状は、通常の歯科医院では40~60%とも10~15%とも言われています。しかし、全国68,000軒の歯科医院のうちリコール率が90%以上ある歯科医院が5%程度存在します。
そのうちの多くは、歯や口腔の健康がいかに大切かを、歯科衛生士さんが説明するだけではなく、いろんな手段でアピールしているということです。
また、歯を磨くだけのホームケアは大切ですが、それだけでは健康な口腔を守ることは難しいので、プロのケアの必要性も説いています。
説明が丁寧なのよ!
リコール率が上がらない理由
リコール率が上がらない理由は、口腔の健康の大切さが患者に伝わっていないことです。
しかし、大切さを伝えて患者が理解していても、様々な理由で定期的に来院してこないものです。
治療後、半年も先になると来院するのを忘れてしまうので、ハガキで来院を促す。あるいは、定期的に来院してもらうために、治療後1ヶ月後に予約を入れるなど工夫をしていてもリコール率は上がりにくいものです。
そもそも、「治療したところなのに、なぜ、短期間のうちに来院しなければいけないのか?」という疑問を患者は持っています。
1ヶ月後や半年後に来院する理由は伝わっているのでしょうか?
口腔の健康維持を伝えていることは解ります。しかし、1ヶ月後に来院した時にどのように対処するのか、どれくらい時間がかかるのか、費用はどれくらいかなど、口腔の健康以外の情報を伝えているのでしょうか?
要するに、口腔の健康以外に患者の「?」を解決することも必要なのです。
悩んでしまうわ!
リコール率を改善させるとどうなるか
リコール率改善という前に、リコール率を調べていますか?
直近6ヶ月のメンテナンス対象患者数のうち何人が来院したかを調べればよいのです。定期検診のお知らせハガキを送っているのであれば、送付枚数と来院患者数が解ればいいのです。
これが解ればリコール率は出ます。
リコール率=来院患者数÷メンテナンス対象患者
この計算式で、実際の来院率と今後の目標を決める。そのために、何をすればよいかの戦術を立てるのです。
まずは、実際の数字を認識してください。感覚とは大きくかけ離れていることが解るはずです。
では、リコール率が改善すればどうなるでしょうか?
・新患を集めなければ…
・治療が終われば患者数が減少する
というような不安がなくなります。
その上、リコールしてくる患者は、健康志向が高い人が多いのです。ということは、自費で良い治療を選択する可能性の高い患者が増えます。そうなるとスタッフの意識も自然と高くなります。
ということは、医院の経営が安定し資金繰りの心配がなくなるということです。
なるほど!
リコール率をアップさせる方法
では、リコール率をアップさせるにはどのような方法があるでしょうか?
大きく分けて2つの方法があります。1つ目は、院内でのアプローチ、2つ目は院外でのアプローチです。
院内でのアプローチ
院内でのアプローチの方法は様々です。しかし、院内においては歯科衛生士の役割が非常に大きいです。
・口内健康の大切さを説明する
・どのようなケアが必要かを説明する
というようなことになるのですが、もっと掘り下げれば、通り一遍の説明になっていないかということです。
子供、妊婦、20代、中年層、初老、老人樋カテゴリーを作って、そのときどきにどのようなメンテナンスが必要なのかを説明しなければ、必要性は届きません。
また、口答だけで説明していると患者の理解度は低く、口腔健康の重要性は伝わりません。
パンフレットなどを作成し、視覚的に説明することも大切です。
待合室にも工夫が必要です。
口腔の健康の大切さを訴求するポスターやメンテナンスの通っている患者のコメントを貼りだしたり、ノートに書いてもらって閲覧できるようにしたりといった工夫をして、メンテナンスの大切さを訴求すれば効果的です。
院外でのアプローチ
院外でのアプローチとは、衛生士など人を介さない方法です。それは、リコールのハガキであったり、来院を促すDMであったり、ニュースレターであったりします。
リコールハガキ
リコールハガキのやり方はいろいろあります。
治療終了後に、リコールの内容を書いたはがきのあて名の欄に、患者に直接書いてもらうということをしている歯科医院もありますが、あまり関心しない方法です。ハガキは、医院で宛名を作成して出す方が印象は良いでしょう。
内容についても、十分に吟味する必要がります。年代を問わず同じ内容のモノならば、受け取った患者には響きません。その結果、メンテナンスのために来院することがなくなるのです。
年代別に、メンテナンスの必要性を説明したハガキを出すと反響も変わります。
ニュースレターの発行
ニュースレターを毎月出すのも良い方法です。
少しずつ、メンテナンスが大切であることを教えていく、院長や歯科衛生士の人柄を伝えていくという内容であれば、患者もメンテナンスの重要性を理解し、スタッフの人柄に触れることで安心して来院できるようになります。
考えればいろいろあるんだ!
ニュースレターとは
ニュースレターとは何でしょうか。
ニュースレターは、簡単に言えば患者に会わずして会うツールであり、患者を教育するツールです。
会わずして会う
会わずして会うとは、患者の疑似体験です。院長の考え方を写真入りで伝える。スタッフの人柄を写真入りで伝える。
その昔、弊社では資料請求をいただいた見込み客に資料を送付したのち、週に1回、5週に渡って資料を送っていました。内容には必ず自分の顔写真を入れていました。
資料を読んで、「来てほしい」と連絡があり行ってみると私の顔を見るなり「待ってました。こちらにどうぞ」と親しげに応接室や社長室に通されるのです。
もちろん、私はあったこともありません。しかし、送った資料で毎回、私のかを見ている見込み客は、私にあったのが初めてではない疑似体験をしているのです。
これと同じような効果をもたらすのがニュースレターです。
患者を教育する
患者さんを教育するとは、口腔の健康について紹介することです。
人は、情報や知識がないものについて考えることはできません。「口腔の健康」は、患者が知らないものです。つまり、あまり関心がなく、知識を得るために進んで情報を取得したりするものではないということです。
だから、いくら歯科衛生士が説明しても、患者は聞いているようで聞いていないものです。しかも、一度に説明を受けるわけですから、すべてを覚えきれないどころか、時間がたてば忘れてしまいます。
そうなるといつまで経っても口腔の健康の大切さが解りません。これが、リコール率に現れるのです。
ニュースレターでは、一度にすべての情報を開示しません。患者さんに負担のない、つまり、覚えやすいように少しの情報を回数を分けて教えていくのです。
メンテナンスの大切さを理解すれば、リコール率は自然と上がります。
ニュースレターには雑学も必要
患者と会わずして会う、患者を教育する、そして、来院してもらうことがニュースレターの目的なのですが、そのためには、まずニュースレターを読んでもらうことが先決です。
医院のことやスタッフのこと、口腔の健康の話ばかりが書かれていると読むのが面白くありません。これらの記事を読んでもらうためには、ちょっとためになる雑学やオモシロ話が必要です。これらがあるから、他の部分も読んでくれるのです。
行かなくっちゃ!
まとめ
リコール率を改善するには、院内外のアプローチが大切です。院内においては、歯科衛生士の説明はもちろんのこと、待合室にポスターや患者の声をパネルにして貼ったり、声を集めた閲覧、書き込み自由なノートを置く。
院外においては、工夫したリコールハガキやニュースレターで患者にアプローチするようにする。
これによりリコール率を高めていくと、健康意識の高い上質な患者が増え、自費でもよい治療なら受けるようになります。
それが、安定経営につながります。