開封率がアップすれば、ダイレクトメールの反応率は上がります。しかし、開封率を上げるのは簡単なことではありません。異物を入れたり、注意を引くために窓開きにしたりと様々な工夫がなされていますが、すべて開封率を上げるためのものです。
もし、開封率が確実に上がる手法があればどうでしょうか?取り入れてみたいと思いますよね。
今回は、その手法について説明します。
DMが届いたわ!
なぜ、開封率が必要なのか?
一般社団法人日本ダイレクトメール協会から発表されているダイレクトメールに関する興味深いデータがあります。
DMで開封される多くは、公的なものです。その開封率は以下の通りです。
・役所からの案内 70.0%
・カードや電話などの利用明細 64.7%
・修理や定期点検のお知らせ 41.2%
・保険や使用しているものの更新や見直し 36.0%
見て解るように、公的であればあるほど開封率が高くなります。
購入経験のある一般企業の開封率は下記のとおりです。
・プレゼント案内 50.5%
・セール・キャンペーン 46.0%
・イベント案内 45.5%
・カタログや情報誌 41.7%
・新製品の案内 38.3%
・試供品の案内 38.8%
自分に明らかにメリットがあるものです。それでも開封率は最高で50.5%です。
購入経験がない一般企業からの開封率は下記の通りです。
・プレゼント案内 51.8%
・セール・キャンペーン 49.3%
・新製品の案内 45.8%
・試供品の案内 45.2%
・カタログや情報誌 41.7%
・イベント案内 41.2%
この結果から見ると、メリットが具体的に伝われば新規客の開拓にも有効性がありそうです。
一般企業の開封率は公的機関の開封率の比べると70%と50%で20%もの差があります。
1万人を対象にダイレクトメールを送付した場合、それを見ない人は公的機関で3000人、一般企業で5000人と2000人もの差があることになります。
一般企業からすると費用にすれば、1通70円とすれば送料だけで14万円の差になります。
開封してくれない費用は、送料だけで35万円になります。
もし、10%開封率を上げることができれば、無駄になる経費は減少するし、売上も何%かは伸びることにつながります。
それほど、ダイレクトメールの開封率は重要なことなのです。
開封すると驚くね!
ダイレクトメールはどれくらい使われているのか?
広告といっても様々な媒体や手法があります。
電通が発表した日本の広告費
2016年の総広告費は6兆2千8百80億円でした。その中で、新聞、雑誌、ラジオ、テレビのマスコミ四媒体に使われた費用は、2兆8千5百96億円と年々減少傾向です。
インターネットに使われた費用は、1兆3千1百億円ですが、年々増加傾向にあります。
そんな中、ダイレクトメールに使われた費用は、3千8百4億円と総広告費の6%に過ぎません。それくらいニッチな広告手法です。
その現認の多くは、費用対効果が合わないからです。
なぜなら、開封率が上がらないからです。
逆に言えば、開封率が上がればダイレクトメールに取り組む企業が増えるということです。
開封率アップを目指すぞ!
開封率を上げるための工夫
上記に紹介したようにダイレクトメールの開封率は最高で50%、少なければ20%を切ってしまいます。
また、開封してから行動を起こすのは約20%といわれています。
ダイレクトメール発送を1万人とすると20%ならば2000人、そのうちの20%が行動を起こしてくれるとすると400人。商品単価が1万円くらいであれば、利益額は費用対効果が合いません。
開封率が50%なら5000人が開封し、1000人が行動を起こしてくれれば、利益額は費用対効果が合ってきます。
だから、開封率を上げるために躍起になるのです。
下記に開封率アップのための工夫を紹介します。しかし、これらは、過去のものであると認識してください。
- ・キャッチフレーズの工夫
- ・異物感を思わせる小物を同封
- ・宛名を手書き
- ・プレゼント作戦
- ・遊び心
一つ一つ説明します。
キャッチフレーズの工夫
キャッチフレーズで興味を引くことができるので慎重に考えなければいけません。封筒の中身にはどんなことが書かれているのか、それは、メリットのあることなのかをしっかりと明示しなければいけません。
異物感を思わせる小物を同封
届いたダイレクトメールを触った時に、異物感を感じるように封筒の中に鉛筆など安価なものを入れる工夫です。
異物感があると「あれ!何か入っているぞ!」と開封してしまいます。これにより開封率はアップします。
宛名を手書き
宛名を手書きにすれば、ダイレクトメールではなく、私信の手紙のような感覚になるので開封率がアップします。部数が多い場合は、手書きで対応できませんので手書き風文字を使って宛名を印字しますが、手書きとの違いは歴然とします。
プレゼント作戦
ダイレクトメールの中に、割引券やプレゼント引換券といったお得情報が見えるように、封筒に窓を開けておく手法です。お得感があるので開封率は上がります。
遊び心
これは、封筒自身に工夫をすることです。
ハガキであれば、圧着タイプのモノは「開けてみようか?」となりますし、封書の場合は、三辺にミシン加工をほどこして、「破ってみよう」となります。
これらのように、開封してもらうための工夫は様々ですが、これらにより売上が大幅にアップしたということは、残念ながら聞いたことがありません。
どれも正解のような気がする!
デザインだけでで開封率は上がる
今から説明する手法は、おそらく聞いたことが無い手法です。
しかし、ある化粧品会社でこの手法を用いたところ、8月のキャンペーンでは、前年対比300%の売上アップ。年末のキャンペーンでは、前年対比400%の売上アップでした。
その手法とは、「ISDロジックビジネス」の統計に基づいた結果から分析して、それを封筒のデザインに落とし込んだものです。
※書籍「どんどん集客が楽になる!ISDロジックビジネス」
「ISDロジックビジネス」では、人を大きく3タイプに分類することができると言っています。
その3タイプには、明らかに違う購買特性があります。
Aタイプは、感性的にピンと来たら購入する。
Bタイプは、自分にとってメリットがあるかどうかを検討して購入する。
Cタイプは、理念や商品開発秘話に魅かれて購入する。
という具合に、購買特性が明らかに違います。
これらの3つの要素を封筒のデザインに応用したところ、前述のような結果が出たのです。
この3タイプは、信じられないかもしれませんが、生年月日から割り出すことができます。
封筒に3つの要素を組み込むよりも、生年月日が解っているのであれば、タイプごとに封筒も中身も分ければ、もっと高い数字が出ます。
個性に焦点を当てて、訴えかけられれば、行動を起こさずにはいられなくなるからです。
ウッソー!!!
まとめ
ダイレクトメールの開封率を上げることは、非常に重要なことです。開封後、行動を起こす人が約20%なので、開封率を如何に上げるかがダイレクトメールの成功につながります。
そのために、キャッチフレーズの工夫をしたり、異物を同封したり、宛名を手書きにしたり、プレゼント作戦や開封のための遊び心を工夫したりするのですが高い開封率を得ることはできません。
これからの手法として、個性に焦点を当てた「ISDロジックビジネス」の統計に基づいたデザインで開封率を上げる。そんな時代がそこまでやってきています。