人は強みも弱みも併せ持つ存在です。
強みとは後天的に習得した能力ではなく、資質に根ざすものです。天から与えられた個性ともいえるものです。決して努力によって得た能力ではありません。他人にできないことでも自分では無意識にできること、人はこんな強みで、組織に貢献するべきなのです。
「なすべきは自らがもっていないものではなく、自らが持っているものを使って成果をあげることである」(『非営利組織の経営』)
しかし、人は自分が持っている強みには鈍感で、弱みに意識が向きがちなのです。自分の強みを意識的に探し、凝視することが大切です。同僚や上司に聞いてみても良いかもしれません。強みは他人の目にとまりやすいものです。
そして意識的に強みを仕事で使うのです。仕事とは、“なすべきこと”(貢献)を“できること”(強みや能力)として行うことです。継続していくと、さらに強みを伸ばしていけます。それでも何か困難に遭遇した時は、強みを伸ばすために天から与えられた機会なのです。
組織では個人の強みをどう引き出しているかが、その組織の良し悪しの原点になります。「組織の良否は、人の強みを引き出して能力以上の力を発揮させ、並の人に優れた仕事ができるようにすることができるかにかかっている」(『現代経営』)
組織の一人一人が強みを発揮して仲間の弱みを補うのです。自分にないものを生かしあうことで相乗効果が生まれます。
人の強みを生かしあい、相乗効果を期待できる環境かどうかこそが、組織の良し悪しであり、経営の成功の土台だといえるのではないでしょうか。