確立した事業体として成功したかに思われたその時、理解できない苦境に立つ

心に響く言葉

確立した事業体として成功したかに思われたその時、理解できない苦境に立つ。製品は一流、見通しも明るい。しかし、事業は成功しない。原因は常に同じ。トップマネジメントの欠落である。企業の成長がトップ一人でマネジメントできる限界を超えた結果である。・・・・・ピーター・ドラッカー「イノベーションと企業家精神」

創業したばかりの企業は、事業規模が小さいため、社長一人で全てを仕切ることが可能なのですが、事業が順調に成長していくと、社長一人では適切な意思決定を組織全体に浸透させて組織を動かしていくことができなくなってきます。

事業に特に問題もないのに、成長がある一定で停滞しているとき、その原因の多くは、社長一人でマネジメントをする許容範囲を超えているからなのです。

 

そんなときには、社長に得意なことをしてもらい、社長の苦手なことは社長に心配をかけないように、みんなで分担するという方法で、多くの企業は事業を成功に導いています。

アップル創業者のスティーブ・ジョブズは「偉大なことは一人ではできない」という言葉を残し、実際4人で経営を担っていました。メディアはトップ一人の功績のように報道しますが、成功している会社は、必ずと言ってもいいほど、社長を含む経営のチームが存在するのです。

 

では、どんな経営チームをつくればよいのでしょうか?どのようにしてトップとベクトルの合った経営チームを作ればよいのでしょうか?

ドラッカーは、「経営会議の場で主語を“われわれ”にしよう」と言っています。経営会議のなかで、取締役は一部署の責任者ではなく会社全体のことを考える立ち位置に居なければなりません。

 

そして、経営会議では何を話し合えばよいのでしょうか?

ドラッカーは、“5つの質問”を提示しています

【1】われわれの使命は何か

何のために仕事をするのか。根本的な事業の目的を問いただしていきます。目的があれば、価値を見出すことができ、困難を乗り切ることができるのです。

【2】われわれの顧客は誰か

誰に向けて、使命を果たすのか。本来の誰の幸せのための仕事なのかを明確にしなければ使命までが、ぼやけてしまいます。

【3】顧客の価値は何か

自分たちが使命を果たしたいと思っているお客様が、何を望んでいるか。何に価値を感じているかを知らなければ、ただの押し売りになってしまいます。

【4】われわれの成果は何か

成果といのは、自社企業の利益や売上ではなく、お客様がどう満足されたか。どう幸せになれたかです。

【5】われわれの計画は何か

満足してくれるお客様をどれくらい増やすか。そのための人、金、物、時間、情報などの経営資源をどうやって手に入れて活用していくのか計画し、目標に向かって役割分担して実行する。場合によっては軌道修正を重ねる。

 

ドラッカーの“5つの質問”を軸に経営会議を重ねていくうちに、メンバーの中で共通した考えが生まれるようになり、生きた経営チームができあがってきます。トップマネジメントをチームとして行うことで、より成長企業になるのです。

 

(2018.2到知 「ドラッカーに学ぶ経営の原則」トップマネジメント社長 山下淳一郎より)

 

 

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