自己以外の人に対しては、あくまで清濁併せ呑むという寛容さを失ってはならない。

心に響く言葉

 

信念をもって何かに向かって情熱的に生きることは大切ですが、信念だけでもダメなのです。人に対しての優しさや柔らかさのようなものがなければならないのです。

 

このことを松下幸之助氏は、「強固な信念がなければ価値ある生き方はできない」「柔軟な融通性がなければ、心豊かな生き方はできない」(『松翁論語』より)と言っています。

また、稲盛和夫氏は、「強いだけの経営者に人はなんの魅力も感じない。強さの中に秘められたやさしさがあってこそ、魅力溢れる、誰からも慕われる経営者になれる」(『新しい日本 新しい経営』より)と言っています。

 

強烈な信念持つと、ややもすれば狭量になりがちです。しかし、許しの深い人間にならなければ大きな仕事はできません。事業を行うには、懐の深さというものが鍵になってきます。

 

中村天風氏は、「気に入らぬ 風もあろうに 柳かな」(仙崖義梵和尚)をなぞって、気に入らない風もあるけれども、平然と受け止めることが、「清濁併せ呑む」の気概であり寛容だといいます。

 

ただ、この句は“柳”をしっかり考えてみることを忘れてしまうと、間違って解釈してしまいます。柳はただ風の吹くままに流されるという主体性のない植物ではありません。重みや風圧に耐えて、折れない柔軟な植物です。硬直よりも柔軟は耐える力が強いのです。さらに柳は地面の下にはしっかりと張った根があります。この根はしっかりとした信念がなくてはならないことにほかなりません。

 

中村天風

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