第一話 集客への取り組み
看板の担当は山中さんです。営業経験も長く、どこに看板があれば有効なのかもわかっているとのことでの抜擢でした。
山中:「看板か。社名を浸透させるにはいいツールだと思う。うちの商圏なら、どこに設置すればいいのか。まずは、下見に出かけるか」
車だと見逃しがちになるので、自転車で下見に出かけました。下見には3日かかりましたが、いろんな気付きがありました。看板を設置したとしても車からしかわからない場所、自転車や徒歩で通行している人にわかる場所と、看板も分けて考える必要がある。
また、人の集まる場所もあることがわかりました。幼稚園へ子供を送った後の主婦の集まる喫茶店、幼稚園バスの送迎場所、サッカーなどクラブの試合会場などがそうです。
看板だけではなく、この人たちにも告知できればいいのじゃないかと考え始めました。これは後々のこととして、看板の設置が先決です。
山中:「一応、設置場所の候補は決めたけれども、看板を付けるにも法的なこともあるので
念のために、看板業者に依頼してみるか。」
下見の結果、車から認知できる場所を10ヶ所、歩行者が認知できる場所30ヶ所を選びました。念のため、看板業者を呼んで商圏内で看板が設置できる場所の候補を上げてもらうように依頼しました。
山中:「業者から報告があるまでに設置場所の掲載金額と設置可能かどうかを調べておいた方がいいな?」
これが一苦労でした。一軒々々、現場に行き設置場所の管理者を調べ、連絡して金額などを調べるのに、思った以上に時間がかかりました。一日で10件調べるのが精一杯でした。
結局、すべて調べるのに10日もかかってしまいました。ちょうど、業者からの報告も上がってきました。業者からの報告を見て、
山中:「自分で調べておいてよかった。この報告だと車から見える大きな看板ばかりで、歩行者のことは考えていないな。それに、掲載金額もこちらが調べた金額より高くなっている。」
看板制作は、業者に任せるとして掲載の契約は直接の方がよいこともわかりました。やはり、人任せにするのではなく、自身の足で調べる方が入ってくる情報も多くなるし、経費も節約できることを改めて実感しました。
資料を整理し、社長に報告しました。
後日、「看板設置について」を議題に営業会議が開かれました。その時に予算が提示され、話し合った結果、車から認知できる場所を6ヶ所、歩行者に認知できる場所を15ヶ所に絞ることになりました。
また、会議の時に建築現場にも看板を設置してはどうかという話になりました。
今までのように社名と連絡先だけを書いた看板ではなく、壁面いっぱいを使って工法や実績を訴求する看板です。それならば、現場付近を歩くご近所の人たちにも理解してもらうことができ、依頼が来る可能性も出てきます。
こうして看板の方向性は決まり、実施していくことになりました。
※看板は、認知度を上げるのに地味ではありますが、効果的なツールです。地域密着型の場合は、看板の設置をお勧めします。