結論から言って、マンションなどの集合住宅にポスティングをすることは違法行為となります。「立川反戦ビラ事件」の最高裁判例では、住居侵入罪で有罪判決を出しています。
ただし、「ポスティング禁止」「チラシ配布禁止」などの貼り紙で、ポスティングを迷惑としているという意思表示がされていない集合住宅への配布は違法ではありません。
住居侵入罪とは
難しい話になりますが、刑法第130条に相当するのが「住居侵入罪」です。その内容は、「正当な理由がないのに、人の住居もしくは建造物などに侵入、または、要求を受けたにもかかわらず、その場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役または10万円以下の罰金に処する」という内容です。
ポスティングが違法かどうかというのは、無断で建造物などに侵入してしまっているかどうかが争点になったのですが、前述の「立川反戦ビラ事件」では、有罪判決が出ています。
したがって、「ポスティング禁止」「チラシ配布禁止」などの貼り紙がある集合住宅にポスティングした場合は、訴訟に及べば有罪になってしまう可能性が大きいといえます。
この判決が、出たことによりポスティングを頻繁に行っていた大手不動産業者もポスティングを自重しています。
どうすればいいのよ!
ポスティング以外の方法
では、ポスティング以外に地域に配布する手段はないのでしょうか?
タウンメール
郵便局の「タウンメール」をご存知でしょうか?
別名を配達地域指定郵便物といって、宛名の記載なしに指定した全住戸に配達してくれるサービスです。
ただし、郵便物ですから封筒に入っていなければいけません。
料金は、A4サイズまでなら25g以内は1通27円、50gまでは40円、100g以内は53円です
タウンメールのメリット
タウンメールのメリットは
・宛名が不要のため顧客リストが要りません。
・配達したいエリアを指定できる
・指定エリア全戸に配達できる
ということですので、チラシ一枚を封筒に入れるだけなら、27円の費用で、指定した地域の全住戸に配達することができます。しかも、郵便物なのでほとんどクレームがありません。
タウンメールのディメリット
タウンメールのディメリットは
・ポスティングと比較してコストがかかる
・封筒を印刷するコストがかかる
・封筒に入れる、余分な作業が発生する
ということです。
ポスティングではかからない余分な費用がかかるようになりますので、費用対効果を見比べて、実行に移す必要があります。
街頭配布
駅前や人通りの多い繁華街で街頭配布をするのも一つの方法です。しかし、街頭配布は効率がよくありません。正確に測ったことはありませんが、10人に一人渡せるかどうかではないでしょうか?100枚を配布するのであれば1000人の人に差し出していることになります。
ですから、街頭配布の場合は、チラシを配布することを目的にせず、知名度の向上を目的にするほうが良いと考えます。統一の目立つスタッフジャンパーを着て、配布者全員で「〇〇にある□□会社です。△△をしています。」と声を揃えて訴えることが大切です。
協力店
人が良く出入りする繁盛店に協力してもらうのもいいでしょう。チラシを設置していただき打代わりに、設置料を支払ったり、成約時の紹介料を支払ったりすれば、協力してくれる店が現れてくると思います。
まとめ
集合住宅へのポスティングが違法との判例が出てから、確かに、ポスティングされるチラシは減少しました。お店側から言えば、新聞折り込みの効果がないのでポスティングに移行しているのに、それもダメとなると打つ手がないように思います。
しかし、費用はかかりますが、タウンメールという方法もありますし、効率が落ちるかもしれませんが、街頭配布という手段や協力店を探すという方法もあります。