売上を上げる方法はいろいろありますが、既存客から売上を上げようと思えば、ニュースレターが最適のツールであると考えます。
ニュースレターは、既存客と信頼関係を作るツールであることは何度も紹介しています。発送するのも売り上げ上位2割の上得意様ですから大量の数ではありませんし、自分たちで作成することもできるので費用はたいして掛かりません。
今回は、ニュースレターを使うとなぜ、売上が上がるのかを説明します。
信頼関係の構築!
売上を上げる仕組み
売上は、客数と客単価の積で決まります。
客数(新規客;既存客)が増えて、客単価が上がればベストです。
しかし、簡単なことではありません。売上を上げるためには、売上を上げるための仕組みを作る必要があります。その仕組みの一環に必要なのがニュースレターです。
新規客を獲得するだけなら、一時的に売上は上がりますが継続的に売上を上げることはできません。なぜなら、新規客は1回来ただけのお客様です。このお客様があなたの店のことを覚えていることはほとんどないからです。
覚えていても「ああ、あの店行ったことがある。でも、どこだったかな。名前は何だったかな」という程度です。
売上を継続的に上げるには、「見込み客獲得」⇒「新規客」⇒「再来店客」⇒「OB客」⇒「リピート客」⇒「常連客」というように、お客様を段階的に引き上げる仕組みを作る必要があります。
新規客を追いかけてばかりいては、継続的に売上は上がりません。そのために必要なのがニュースレターです。
お客様を育てる
お金をかけずに売上を上げる
ニュースレターには、必ず売込みの案内を入れてください。
毎月送るニュースレターに、売込み案内を入れるだけですから費用はほとんどかかりません。売込みの案内は、来店を促すものでも、商品の購入を促すものでも構いません。
ただし、何で来店してほしいのか、なぜ、その商品を勧めるのかを明確にしておくことが大切です。なぜなら、あなたと信頼関係を築いてきたお客様ですから、あなたが勧めるものを試してみようという気持ちがあるからです。
ですから、信頼を裏切らないように、あなたが本当に良いと思ったものを勧めてください。
ニュースレターのメリット
ニュースレターを発行するメリットは何だと思いますか。メリットもないのに発行する人はいません。
ニュースレターのメリットは以下の通りです。
・ファンを育てる 来店頻度、紹介
・販促活動を習慣づける
・お客様が忘れない
ファンを育てる
集客の極意は、見込み客を集めて、新規客に育て、新規客を既存客に育て、既存客をファンにすることです。
ファンを常連客とも言いますが、この層のお客様が増えると経営は安定します。
自身が来店したり、購入したりする頻度が上がるだけではありません。お友達を連れてきてくれたり、会社関係の人を連れてきたりしてくれるからです。
そして、この紹介してくれた人にアプローチしていくと、ファンになってくれる人が多いのです。
販促活動を習慣づける
ニュースレターに売込み案内を入れるようにすると、毎月、売込みの内容を考えるようになります。
これは、販促活動を考える基礎になります。いろんなことを考えるようになるので、ニュースレターの売込みには使えなくても、別のことに使えるようなことも出てきます。
このようなアイディアをスタッフで話し合うことを習慣にすることが大切です。
お客様が忘れない
お客様は、あなたのお店のことを覚えていません。
「行きたいな」と思っても、「どこにあったかな」「名前は何だったかな」と思い出せないものです。
だから、お客様に忘れられないようにするためにもニュースレターが必要です。毎月出していると、お店を選ぶ時の候補に必ず上がるようになります。
忘れていたら、候補にもなりません。
候補に挙げてもらうためにもニュースレターが必要です。
よい循環ができます!
避けたいこと
ニュースレターを作成するうえで避けておいて欲しいことがあります。それは以下の2点です
・売込みをしない
・継続する
売込みをしない
ニュースレターは、お客様との信頼関係を築くツールであることはすでに話しました。
信頼関係を作るには、あなたのことを信頼してもらわなければいけません。そのためには、あなたはお客様にとって、情報提供者である必要があります。
なぜなら、良質な情報を提供し続けていれば、お客様は「この人を信頼できる」と思ってくれます。そうすれば、困ったときや悩んだ時にあなたに相談してくれるようになります。
ところが、売込みの案内を同時に掲載していると、お客様はどう思うでしょうか。
「情報をくれるのもいいけど、買ってほしいからでしょ。」と思うので、信頼関係を築くことが
できなくなってしまいます。
売込みをするときは、ニュースレターに掲載するのではなく、別紙で同封するようにしてください。そうすれば、お客様は売込みを受けるか受けないかの選択をすることができます。
継続する
ニュースレターは、徐々に効果が表れてくるツールなので継続することが大切です。
数回出しただけで効果がないと止めてしまう方がおられますが、それならば、最初からニュースレターを発行するべきではないのです。
発行してから止めてしまうと、お客様の信頼も損ねてしまいます。
やると決めたからには、どんなことがあっても継続することです。「効果がない」と止めるのではなく、どうすれば効果が出るのかを考えて改善していくのです。
そうすれば、必ず成功することができます。
既存客から売上を上げる
新規客に売り込むよりは、既存客に売り込む方が、簡単でコストもかかりません。
なぜならば、あなたのお店から1度以上は商品を買ったことがあるので、だいたいのことがわかっているからです。
まったく知らないお店で、買い物するのは多少なりとも勇気がいりますが、知っている店で買い物するのは、比較的安心して買うことができます。
ましてや、店長やスタッフのことを知っているとなると、安心感は倍増します。
だから、ニュースレターの発行に意味があるのです。人間関係を構築し、お客様に安心してもらえるからです。
そうなると、お店に足を運んでくれる回数が、自然に増えるようになります。
安心できる!
「ファン(常連客)」に育てるには
なにももしなければお客様は「ファン」にはなりません。
自店のファンはどのようにしてできたのか、振り返って考えてみてください。
居酒屋であれば、いつもカウンターに座るお客様と店主やスタッフが話をするようになって「ファン」になったはずです。つまり、「ファン」にあるためには「人」が介在しているということです。
お客様から胸襟を開いてくれる場合もあるでしょうが、店主がお客様に胸襟を開く方が大切です。人柄が解って、その人を好きになり、人を目当てに来店するようになるのです。
この人柄を伝えるためのツールがニュースレターです。
ニュースレターで自信のことを語り、人柄を伝えファンになってもらう。そうすれば、お客様から支持を得ることができるようになり、頻繁にお店に来てくれるようになります。
今日のお勧めは?
新規客を再来店させる居酒屋、「塚田農場」
このお店は、来店回数によって名刺がプレゼントされます。初めて来店した時に「主任」の名刺、2回目は「係長」、3回目は「課長」そして、回数に応じて「部長」「社長」と昇進していき、昇進ごとにお店側からサプライズプレゼントがあります。
このような仕掛けを作れば、始めてきたお客様が、次も「いこうかな」となります。
もちろん、再来店させる仕組みは、他にももっとあります。2回目の来店を促すには、「使わなければ損!」と思わせるくらいの圧倒的な割引があってもいいでしょう。
新規客をリピート化せるには、少なくとも3回できれば5回来店していただくとリピート客になってくださる確率がグ~ンと上がると言われています。
経験則からだと30%以上が、リピート客になります。ですから、スタッフみんなでアイデアを出し合い、リピートさせる工夫をしてください。お金ではありません頭を使ってアイデアを絞り出してください。
まとめ
売上を上げるには、ニュースレターが一番良いわけではありません。それ以上に大切なことは、お客様を段階的に育てるための仕組みづくりが必要です。それには、お金をかけるのではなく、スタッフ全員で智慧を出し合いリピート化する仕組みを構築してください。