ニュースレターを発行して売上が上がらないのは、ニュースレターの認識不足あるいは使い方を間違い、掲載内容に問題があるかということになります。
これらを一つずつ、改善のポイントを紹介します。
ニュースレターはすぐに儲からない
ニュースレターを発行したからといって、すぐに儲かったり、売上が上がるものではありません。
チラシやDMは、出すとすぐに商品を購入したり、お店に来店したりするように、何らかの反応があります。
ところがニュースレターには、お客様との信頼関係を築くツールですから、売込みの情報がないので、チラシやDMのような反応は表れません。
人間関係ができてくると信用を得ることができ、あなたが勧める商品やサービスを買ってくれるようになります。
例えば、あなたがAという商品の購入を迷っているとき、親しい友達がそれを持っていて、「これいいよ」といえば、あなたは、迷いが吹っ切れて商品を購入するのではないでしょうか。
ニュースレターの役割は、お客様の友達になることです。
だから、すぐに結果は出ません。ボクシングでいうなら、チラシやDMはストレートやアッパーカットのように一発で相手をしとめるパンチ。一方、ニュースレターはボディーブローで、相手の動きを止めるパンチです。
よろしく!
ニュースレターを正しく使っているか
ニュースレターは正しく使わないと効果がありません。発行間隔が長すぎたり、配布先を間違えていたりすると、効果は期待できなくなります。
発行間隔の改善
発行間隔ですが、ニュースレターの発行は原則として毎月です。
なぜ毎月なのかというと、人の脳の構造に合わせているからです。
どうでもいいことについて、人の記憶は20日間で無くなると言われています。あなたのお店のことは、失礼ですが「どうでもいいこと」です。
ですから、1ヶ月も経てば、あなたのお店のことは記憶から消えていきます。そうなると、「必要な時」に思い出してくれることはないのです。それは、来店しないということを示しています。
しかし、記憶にあれば、あなたのお店のことも思い出してもらえます。そうすれば、足を運んでくれる可能性も出てきます。
この記憶に留めておいてもらうには、毎月(30日間隔)の発行が必要になるのです。この間隔が3ヶ月に1度であれば、効果が出なくても仕方がありません。
こんな話があります。ある工務店の出来事です。
自社に依頼して、新築の家を建てていただいたお客様がおられました。普段は、ほとんどアプローチしていません。お中元とお歳暮を贈る、年賀状を出す程度です。
ある時、その家の前を通ると門扉と塀の色が変わっていました。営業マンは「なんで内に声をかけてくれなかったのだろう」とショックを受けたそうです。
この出来事を予測すると、施主は「そろそろ門扉をやり変えないとな」と思っているところに、チラシが入ってきました。それを見て、この業者に電話をして見積もりを依頼したのです。
この段階で、家を建ててもらった工務店を思い出せば、声をかけたでしょうが、残念ながら、何のアプローチしていなかったので、施主の記憶から消えていたのです。
もし、記憶から消えないように、毎月、ニュースレターを出していたら、合い見積になるかもしれませんが声はかけてくれたのではないでしょうか。
この事例からも解るように、ニュースレターは、毎月発行するように改善してください。
初期の頃は、セールス案内を控える
ニュースレターを発行してから3~4ヶ月は、売込みのレターを入れないようにお願いします。
なぜなら、送られてきたものがいきなりセールス案内だったら、毎月送っても継続して読んでくれません。それどころか「毎月、セールスの案内ばかり送ってくるわ」と、嫌悪感を持たれてしまうかもしれません。
3~4ヶ月後は、毎月、セールスの案内があっても大丈夫です。
脳の記憶は21日
セールス案内の改善
では、セールスの案内はどのように考えればいいでしょうか。
まず、案内内容を一人で考えてはいけません。全員で考えることが先決です。一人で考えていてもよいアイデアは生まれませんし、他の社員は、何をしているのかわかりません。
よいアイデアを出すためにも、全社員で共有するためにも、全員で考えることが大切です。
考える方向は、商品を売るなら、どの商品で、どんな表現をすれば買ってくれるのかという視点です。イベントは、商品に関連したイベントならば、商品の展示の仕方や体験などの内容と案内の紙面の表現。遊びのイベントなら、お客様と触れ合える、会話が弾むイベントは何か、また、その表現はどうするかを全員で考えるのです。
配布先の改善
ニュースレターは誰に送ればいいでしょうか?
全員に送れれば、それに越したことはないのですが、費用対効果を考えると難しいものです。そこでお勧めなのが、売上上位2割のお客様に送ることです。
なぜなら、パレートの法則というのがあって、売上上位2割のお客様が、売り上げ全体の8割を占めているという法則です。
実際に、売上だけでなく、営業マンの成績を調べても同じように成績上位2割の営業マンで、8割の売上を占めていました。
この法則に基づいて、上位2割のお客様にニュースレターを送ればいいのです。
せっかく作成したニュースレターですから、他にも活用することです。
エリアを決めて、近隣にポスティングするのも一つの方法です。売込みはないものの、継続してポスティングしていると、あなたの考えに共感してくれるお客様が来店してくれるようになります。
ある美容室では、ニュースレターを近隣にポスティングしていたところ、初めて来店してくれたお客様なのに、一番高いメニューを注文してくれました。通常は、試すために比較的安価なものを注文するのが普通なので、そのお客様に「なぜこのメニューを注文してくれたのですか」と聞いたところ「信用できると思ったからよ」という答えが返ってきました。
このお客様は、ポスティングしたニュースレターを読んでくれていたのです。
店頭で配布することも忘れてはいけません。
レジの時に渡すようにしたり、店内にラックを置いて「ご自由にお取りください」と明示するのも方法の一つです。
毎月配布するんだ!
ニュースレターの掲載内容
掲載内容も大切です。お客様と信頼関係を築くためには、自己開示が必要です。商品を購入してもらうためには、商品知識を教えることが必要です。
雑学の内容は、自社のお客様と合っているか、お客様と相互通行できる仕組みがあるかなども大切な要素です。
自己開示ができているか
お客様と信頼関係を築くには、自己開示が必要です。自分のことを知ってもらうことで、お客様はあなたに関心を持ってくれるようになります。
自己開示は難しく考える必要はありません。
・家族構成
・奥さんへの接し方や考え方
・子育て奮闘記
・社員への接し方
・仕事の取り組み方
・読書や映画の感想
・日常の出来事への考え方
など、ネタは注意を向ければたくさん転がっています。大切なことはネタに対しての自分の考えを必ず入れることです。
自分のことを話しましょう
商品知識を提供しているか
商品知識は、お客様が商品のことを深く考えていただくためには欠かせないものです。知らないことは考えられませんが、知識がついてくると関心を持つようになり、ついには自分で調べるようになります。
ただし、一度にたくさんの情報を提供すると、読んでくれませんので、少しずつ情報を提供することが大切です。
知識が身に付き、興味を持って調べ始めると、商品の購入までの期間がグ~ンと縮まります。
住宅販売会社でこんな話がありました。
住宅展示場の見学に来て、営業マンがこのお客様と話した結果。今すぐ購入の意思はなく、3年後くらいに住宅を買おうと思っているとのことがわかりました。
このお客様にニュースレターを毎月送ったところ、たまに、見学会に来ては、営業マンに質問をしていました。
3年後に苦乳すると言っていたのに、契約したのは2年後でした。
理由を聞くと、「家のことを調べだすと興味を持ち、早く家が欲しくなった」とのことでした。
ニュースレターで、松陰知識を少しずつ送った結果です。
計画が早まるんだ!
雑学内容はターゲットに合っているか
雑学な何のために必要かご存じでしょうか。
ちょっと考えていただきたいのですが、ニュースレターの内容が、送られてくる会社の内容ばかりだったらどうでしょうか。
恐らく読んでいて面白くないと思います。
雑学は、自社の情報を読んでもらうためのスパイスです。割合にして、雑学が6~7割、自社のことが3~4割です。
それゆえに、雑学の内容は、お客様の層が興味をもってくれ、かつ、面白い内容でないと継続して読んでくれませんし、自社の内容も読んでくれなくなります。
雑学の役割は、かなり重要なものなのです。
テンプレートであれば、内容は面白く仕上がっていますが、自社で作るとなると雑学内容もしっかりと考えないと読んでくれなくなります。
時には、お客様にニュースレターのアンケートを取るのも良いでしょう。人気のない記事は、別の話題に書き換えることが必要です。
アンケート内容は、ニュースレターで発表することもできます。
クイズでお客様にプレゼント!
相互通行はできているか
お客様と相互通行する工夫も必要です。
例えば、クイズを掲載して答えは社長の携帯電話にかけてもらう。正解者には、素敵なプレゼントを用意する。
このようにすれば、社長も普段、話をしないお客様と話せるきっかけを作ることもできますし、お客様も楽しんでくれます。
まとめ
ニュースレターを使って売上が上がらない場合は、使い方が間違っている、掲載内容に問題がある、配布方法が間違っているなど、諸要因があります。
これらのことを解らずに「ニュースレターは効果がない」と決めつけて止めるお店も多くあります。ニュースレターは正しく使えば必ず効果があります。どうしたらうまくいくのか専門家の意見も取り入れながら創意工夫し、発行し続けることが必要です。