ニュースレターを発行したにもかかわらず、続けることができずに止めてしまう会社(お店)があります。理由を聞くと「良いのは解っているんだけど…」と、確かな理由を掴んでおられません。続けるには社員のモチベーションが上がらなければ、本気になれず、適当に発行することになり、お客様からの支持を得ることができません。
そうなると社員からの不平不満が出てきて、止めることになってしまうのです。
このようにならないために、導入期にトップ自ら、なぜ、ニュースレターを発行するのか、そして、発行すればどのようになっていくのかを説かなければいけません。
トップ自ら率先垂範
ニュースレターを発行する目的
ニュースレターを発行する目的は、ずばり売上を上げることです。
企業として利上げを上げるために様々な取組をしています。
チラシを打つ、DMを送付する、地域コミュニティー誌に広告を出す、誘導のための看板を設置するなどして新規のお客様を集める努力をしています。
しかし、肝心なことを忘れています。
それは、お客様がリピートしてもらうための取組です。
新規客ばかりを集める努力をしても、既存客がリピートしてくれなければ、穴の空いたバケツに水を注ぐようなもので、いつまでたっても満水にはなりません。
まずは、満水にするために穴を塞がなくてはいけません。この役割をするのがニュースレターです。
新規客1件を集める費用は、既存客1件を集める費用の10倍といわれています。もし、既存客でバケツの半分まで水が満ちれば、新規客の集客にかける費用は半分以下になります。
満水にすることができたなら、新規客の集客に帰る費用がなくなり、利益率は大幅に改善できます。
このように利益率を改善し、社員の給与も上げれるようにするのが、ニュースレターの役割です。
利益改善の第一歩
ニュースレターを発行し続けるとどうなるか?
ニュースレターを創意工夫しながら発行していくと、お客様との関係性がよくなり、リピートしてくれるお客様が増えていきます。
そんなお客様に、商品を勧めると気持ちよく買ってくださる方が多くなります。それは、ニュースレターの中で、社長をはじめ、社員が自己開示することでお客様に、社風や人となりが見えるようになるからです。
また、商品やサービスの内容を細かく伝えていくことで、社員の商品に対する知識の深さを解ってもらえるからです。
美容室であれば、信頼している店員に「お客様の髪質でしたら、こちらのシャンプーとトリートメントが合いますよ。髪の毛はしっとりとしますし、翌日の朝でも髪をセットするときに、今までよりも簡単にできますよ。」と勧められれば買ってみようと思うものです。
これが信頼関係を築けていなかったら「そう言われてもね…」と、買っていただくことはできません。
このように、来店回数が増え、勧める商品を買ってくれることで売上が増えていきます。
いかがですか?
ニュースレターを続けるコツ
ニュースレターを導入する目的、将来像を説いても続けることは難しいものです。なぜなら、すぐに結果が出ないとうことと、毎月、同じような情報を発信するので嫌になってしますからです。
その挙句、「社長、こんなことを続ける意味はあるのですか?時間の無駄だと思うのですが…」というような声が上がって廃刊になってしまうのです。
ではどのようにすれば、長く続けることができるのでしょうか?
・毎月、販売したい商品をみんなで考える
・毎月の売上を共有する
・商品やサービスをどのように知ってもらうかをみんなで考える
・お客様をもてなすイベントを考える
・営業ツールとして活用する
毎月、販売したい商品をみんなで考える
ニュースレターの目的は売上を上げることです。ということは、毎月、お客様に勧める商品を提案しなければいけないということです。
単品を提案する場合も、セット商品を提案する場合もあると思います。何の商品を売るのかを全員で話し合うのです。
それも、こちらが勧めたい商品ではなくて、「お客様のためになる商品」という視点で商品を決める打合せをすればいいのです。そうすれば、お客様が商品を手に取った時の笑顔が思いだされ、ワクワクしながら打ち合わせができるでしょう。
全員で考えよう!
毎月の売上を共有する
提案した商品が、いくら売れたのかを毎月計測することです。ここで大切なのは、売れなかったことに対しての批判ではなく、「なぜ、売れなかったのか」の反省です。
反省をすることで、改善点が見いだせます。
商品の伝え方が悪かったのか、勧めた商品そのものがお客様に必要なかったのか、など、反省することで次に選ぶ商品が決まります。
そして、毎月の数字を追いかけて、上を目指すようにしていくとやる気が出てきます。
「もうダメだ」と思うのではなく、「ダメだと思った時が仕事の始まり」と思い改善を図っていくのです。
商品やサービスをどのように知ってもらうかをみんなで考える
自社の商品やサービスをお客様に知ってもらうことは大切です。
なぜなら、人は知識がないものを考えることはできないからです。知識があって初めて商品の比較ができたり、他の商品との組み合わせを考えたりすることができます。
だからまずは、商品の知識をお客様に知ってもらうことです。
しかし、商品の理解を深めてもらうとしても、どのような商品の知識を深めてもらうのか、また、その商品のどのような知識を深めてもらうのか、担当者一人が考えるのではなく、みんなで話し合うと、社員も商品の知識が深まります。
これも、お客様の姿を浮かべながら話し合うと楽しいものです。
お客様の笑顔を思い浮かべて!
お客様をもてなすイベントを考える
お客様をもてなすイベントを考えるのは、手間でもあり楽しいものでもあります。
このようなことに取り組むと、仕事が増えるのでしんどい部分もあります。しかし、多くの場合は、イベントが終わってお客様の笑顔を思い出すと「やってよかった」と思う方が多いようです。
イベントを考える注意点
イベントと一口に言っても様々なイベントがあります。「どのようなイベントにしたいのか?」は、社員全員が一致団結して全力で取り組まないと上手くいきません。
では、どのように取り組めばよいのか、その注意点を列記していきます。
・どんなお客様をお招きするのか?
・場所はどうするか?
・予算はいくらまでか?
・商品を売るのか、楽しんでもらうのか?
どんなお客様をお招きするのか?
どのようなお客様を招待するのかを考えなければいけません。
お客様を分類すると
売上上位3割以上のお客様
売上上位3割未満~6割以上のお客様
それ以外のお客様
という具合に大きく3つに分けます。
これらの分類からどのお客様を招待するのか、あるいは全員を招待するのかを決めて、人数を割出しイベントの規模を決めなければいけません。
もちろん、イベントの内容によっても規模は変わります。
場所はどうするか
イベントに場所はつきものです。
BBQをするのなら、BBQができる施設を予約しなければいけません。店内を使ってのイベントならレイアウトも考えなければいけません。
何をするかによって場所を選択しなければいけません。
予算はいくら?
イベントを考えるうえで予算は重要です。全員では話し合って決めたことが予算内でできるのかどうか。
その予算は、会社全体の利益の中から還元するのか、イベントをすることによってお客様のリピート率や購買価格からはじき出すのかも決めなければいけません。
予算の決め方は様々ですが、目標額に合わせてきっちりと組む必要があります。また、達成具合を計測することも忘れてはいけません。
商品を売るのか、楽しんでもらうのか?
商品を展示即売するのか、それとも、来ていただいて楽しく過ごしてもらうのかを決めてください。
展示即売の場合は、販売する商品、そこから上がる売上や利益などを掴まなくてはいけません。
楽しんでもらえるイベントならば、そこからの相乗効果を見込まなければいけません。
祭りだ!
以前、こんなイベントがありました。
スーパーのイベントです。
ターゲット層は、子供を持ったお母さんです。
コンセプトは、「子供を気にせず、ゆっくりと商品を買ってもらおう」です。
そのイベントの内容は、駐車場の一角のスペースで、子供が遊べるようにしたことです。
イベントには、ご近所卯の高齢者が応援してくださいました。
子供と触れ合うをテーマに、折り紙やおじゃみ、こまやけん玉など、高齢者が子供のころに遊んだ遊びを現代の子供たちに教えてあげる内容です。
結果は大成功で、このスーパーが始まって以来の集客に成功し、お母さんも子供も高齢者も大喜びのイベントとなりました。
全社員が、感動したことは言うまでもありません。
ニュースレターを通じてコミュニケーションができる
ニュースレターは、既存客に対していろんな面でのアプローチができるツールです。それには「お客様に喜んでもらう」という強い一年を持って取り組むことです。
そのためには、社員全員で取り組む仕組みをつくることが大切です。
今回の販売する商品は、Aさん、Bさん、Cさんで大まかなことを決める。それを全員で吟味するというように、持ち回りで取り組むのも方法です。
要は、全員参加で取り組むことが、ニュースレターを続ける一番のコツです。
まとめ
「お客様を喜ばせる」を考えて、ニュースレターの内容を考えれば、勧めるべき商品、イベントなど、お客様とどのようにかかわればいいのかが見えてきます。
そうすると、社内の改善点がお客様の視点で見えるようになります。そうなれば、お客様のリピート率が上がるようになります。その頃には口コミも広がり、新規客も来てくれるという好循環が出来てきます。
ニュースレターは、その一助に過ぎないのです。